光のもとでⅠ
「……最近、普通に話せなくてごめんなさい」
「それでいいって言ったのは俺だから」
 たぶん、どっちが悪いわけでもなくお互い様。
「……本当はもっと普通に――夏休みに話していたみたいに話したいんだけど……」
「第三者が絡むとケンカ腰?」
 図星って顔が翠らしくて、つい口もとが緩む。
 俺たちがまともに話せなくなったのは、翠が呼び出しにあうようになってからだ。
 それさえ絡まなければほかでは普通に話せていたと思う。
「ツカサ……私、大丈夫だよ?」
 遠慮気味に見上げてくる目。
「何が」
「ツカサや風紀委員の人が見張っていてくれなくても、たぶん大丈夫……。最初こそ、『呼び出し』かもしれない。でも、今では会えば挨拶をしてくれる人もいるのよ?」
 早速第三者が絡む話到来……。
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