光のもとでⅠ
「だから、おまえに好かれているなんて絶対に思わないよ。絶対に、ね。実際、自分が司と一緒にいられるのは異性だと思われてないからって勘違いしてるみたいだし」
「っ……!?」
 あのあと、翠は秋兄に俺との会話の内容を話したらしい。
 そうでなければ、このことを秋兄が知るわけがない。
「おまえが好きって口にしない限り、気づかない。そんなこと、司だってわかってるだろ?」
 わかってる、わかってた――。
「だから」と思う気持ちと、「でも」と思う気持ちが交差する。
 こんな話は神経を逆撫でにされるだけだ。
 部屋を出ようと思い、秋兄に背を向けた。
「話ってそれだけ?」
「そう、それだけ。あぁ、あと……俺はおまえの提案に乗じて、明日、翠葉ちゃんとブライトネスパレスへ行くよ」
「……ご勝手に」
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