光のもとでⅠ
覚えられるかどうか、というなら覚えられる。
ただ、覚える気がないだけだ。
昇降口を出て大学の第二駐車場と校庭の間を歩き始めた頃、人が周りにいなくなったこともあって訊いてみることにした。
「茜先輩が言っていた、もっと楽な方法ってなんですか。翠は俺がほかの女子と話せば自分はこんなに苦労しないって言ってましたけど……」
「……やっぱり司がバカなのよ」
茜先輩には見えていて、俺には見えていないものがある。
それは確かなようだ。
「翠葉ちゃんが一番手っ取り早く楽になる方法。それは、司から離れることよ」
っ――!?
「あら、そんなに驚くことじゃないでしょう? それが最も簡単で最も手っ取り早く問題を解決できる一方法」
言われてみれば、確かにそのとおりだった。
ただ、覚える気がないだけだ。
昇降口を出て大学の第二駐車場と校庭の間を歩き始めた頃、人が周りにいなくなったこともあって訊いてみることにした。
「茜先輩が言っていた、もっと楽な方法ってなんですか。翠は俺がほかの女子と話せば自分はこんなに苦労しないって言ってましたけど……」
「……やっぱり司がバカなのよ」
茜先輩には見えていて、俺には見えていないものがある。
それは確かなようだ。
「翠葉ちゃんが一番手っ取り早く楽になる方法。それは、司から離れることよ」
っ――!?
「あら、そんなに驚くことじゃないでしょう? それが最も簡単で最も手っ取り早く問題を解決できる一方法」
言われてみれば、確かにそのとおりだった。