光のもとでⅠ

24~28 Side Tsukasa 05話

「ツカサは……ツカサが言ったんだよ。私がツカサって呼んでたって」
「それだけ?」
 本当にそれだけなら、俺は相当間抜けだ。
 ひとり名前に固執して――。
「それだけっていうか……確かにそう言われたからそう呼んでいるのだけど……。呼ぶにあたってひどい違和感はなかったの。自分が男子を呼び捨てにすること事体には驚きがあったけれど、でも、呼ぶことに抵抗はなかった」
 翠の声が困惑の色を濃くする。
 それでも訊くことをやめられない。
「じゃぁ、藤宮先輩と司先輩とツカサについては?」
「ツカサ、これはなんだろう……?」
「翠にとってはどうでもいいこと。でも、俺にとってはどうでもよくないこと」
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