光のもとでⅠ
蒼兄が部屋を出ていくと、ドアは閉められ部屋にふたりになる。
「プリンは冷たいほうが美味しいと思うんだ。だから、まずはこれを食べるのが先決ね」
と、ゼリーのときと同じように、少しずつ口へスプーンを運んでくれた。
「美味しい?」
「はい」
「でも、やっぱり俺だと緊張しちゃうんだね。蒼樹がさ、アンダンテのものを食べてるときは緊張ほぐれるだろうから、って言ってたんだけど……」
「……だって、蒼兄は慣れてるけど、秋斗さんに食べさせれもらうのは今日が初めてだもの……」
「そっか……じゃ、何度も食べさせて慣れてもらうしかないね」
そう返されるとは思っていなくて返答に詰まる。
秋斗さんはそんな私を見てクスクスと笑う。けれども、口へ運ぶ手を緩めることはなかった。
プリンを食べ終えると、
「もう一度訊くね。さっき聞かせてくれた理由も、俺を振ったときに言った理由も、全部本音?」
断ったときに話したことは本心だった。
今だって、こんな状態の自分を見られたいわけじゃない。
それに、痛みがひどくなって余裕がなくなれば人への配慮なんてできなくなる。
それこそ、好きな人には近くにいてほしくない。
「プリンは冷たいほうが美味しいと思うんだ。だから、まずはこれを食べるのが先決ね」
と、ゼリーのときと同じように、少しずつ口へスプーンを運んでくれた。
「美味しい?」
「はい」
「でも、やっぱり俺だと緊張しちゃうんだね。蒼樹がさ、アンダンテのものを食べてるときは緊張ほぐれるだろうから、って言ってたんだけど……」
「……だって、蒼兄は慣れてるけど、秋斗さんに食べさせれもらうのは今日が初めてだもの……」
「そっか……じゃ、何度も食べさせて慣れてもらうしかないね」
そう返されるとは思っていなくて返答に詰まる。
秋斗さんはそんな私を見てクスクスと笑う。けれども、口へ運ぶ手を緩めることはなかった。
プリンを食べ終えると、
「もう一度訊くね。さっき聞かせてくれた理由も、俺を振ったときに言った理由も、全部本音?」
断ったときに話したことは本心だった。
今だって、こんな状態の自分を見られたいわけじゃない。
それに、痛みがひどくなって余裕がなくなれば人への配慮なんてできなくなる。
それこそ、好きな人には近くにいてほしくない。