光のもとでⅠ
「一緒に歌うのがツカサだからわかったのかな」
 小首をかしげる翠に、
「そう……良かったね」
 笑いかける茜先輩。
 落ち着け俺……。
 翠のあの顔――自分が何を言ってるのかよくわかってないに違いない。
 いや、むしろそんなことを言われて俺が動揺するなんて微塵も思っていない顔だ。
 翠はこういう人間なんだ……。知っていて好きになったんだろっ!?
 なら落ち着け――。
 鈍感鈍感鈍感鈍感鈍感――。
 どこまでスルーすれば気が済むんだ。
 翠の鈍感は底なし沼なのかっ!?
 落ち着け、俺――。
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