光のもとでⅠ
 恥ずかしいと思っている自分を見られるのはたまらなく恥ずかしい。
 なんだこれ――。
 翠の向こう側にいる茜先輩からの視線が痛すぎた。
 なんとなくわかった……。
 この紅葉祭、俺に対する「何か」だ。
 即ち、生徒会総動員のトラップ――。
 なんだか最近はやられっぱなしだ。
 ふざけるな、と思う気持ちは嘘じゃない。
 でも、腹が立つとかムカついてどうにもならないとか、そういう気分ではない。
 変な感じ――。

 茜先輩の携帯が鳴り、翠が部屋の時計に目をやった。
 つられて自分も時刻を確認する。
 あと少しで七時。
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