光のもとでⅠ
「自分がうちの親に受け入れられていないことを知ったのが決定打だったと思う。俺がいくら好きだと伝えたところで、茜の心には届かなかった。おっきな壁がさ、俺たちの間に……というよりは、茜の中にできちゃったんだよ」
人の心ってそんなものなのか?
自分の好きな相手の言葉すら信じられなくなるものなのか?
「ほかの男どもはどうでもいいから、せめて俺だけは信じてほしんだけどね」
そう言って笑う会長は、いつもより大人びた顔をする。
「会長……それじゃ、茜先輩は人を――誰も信じていないと言っているように聞こえます」
「たぶん、それに近いものはあるんじゃない?」
そんなふうには見えない。
翠だったらわかる。そういうのが行動にも出るし……。
……でも、最近の翠は人を信じすぎていてそれが怖いと思う。
翠と茜先輩――。
人の心ってそんなものなのか?
自分の好きな相手の言葉すら信じられなくなるものなのか?
「ほかの男どもはどうでもいいから、せめて俺だけは信じてほしんだけどね」
そう言って笑う会長は、いつもより大人びた顔をする。
「会長……それじゃ、茜先輩は人を――誰も信じていないと言っているように聞こえます」
「たぶん、それに近いものはあるんじゃない?」
そんなふうには見えない。
翠だったらわかる。そういうのが行動にも出るし……。
……でも、最近の翠は人を信じすぎていてそれが怖いと思う。
翠と茜先輩――。