光のもとでⅠ
「俺さ、高等部卒業と同時に加納を出るつもりでいる」
――っ!?
「会長、跡取りじゃ……」
「それが何? 家が絡んで茜と一緒にいられないんじゃ意味がない」
この道場に入ってからいつもの笑みを見ていない。
「俺ね、すでに内定をもらっているんだ。ウィステリアホテルのね」
「はっ!?」
寝耳に水だ。
「司は『久遠』ってカメラマンは知らない?」
やっと笑ったかと思えば、いたずらっ子の顔だ。
「久遠」といえば、翠が好きなカメラマンの名前だが――あ……。
――っ!?
「会長、跡取りじゃ……」
「それが何? 家が絡んで茜と一緒にいられないんじゃ意味がない」
この道場に入ってからいつもの笑みを見ていない。
「俺ね、すでに内定をもらっているんだ。ウィステリアホテルのね」
「はっ!?」
寝耳に水だ。
「司は『久遠』ってカメラマンは知らない?」
やっと笑ったかと思えば、いたずらっ子の顔だ。
「久遠」といえば、翠が好きなカメラマンの名前だが――あ……。