光のもとでⅠ
あのとき苦しんでいたとして――どんなにつらかろうが、自分の出生などどうできるものでもない。
俺を選んだ理由は、話したところで反応が返ってこない人間で、あえて口止めせずとも噂になどしない人間だから、かな。
「不安定なりにも冷静な部分はあったと思う。それが本当に俺のバイトのことなのか、相手がどんな切り札をもっているのか、それを確かめるためには誰の目にも留まらない場所で一対一で話す必要があったんだろう。ただし、学校内でなければ助けは望めない。五十嵐は退学になったわけだけど、俺の噂は世間に広まったりはしなかった。退学が決まった時点でうさ晴らしよろしく教師陣に話すなりネットに流すなりできたと思うけど、それがされなかったのは何も掴んでいなかったからだと思う。そのあたりはオーナーが調べてくれたけど、情報が流れた可能性はゼロに近いと判断された。因みに、俺のバイトの件は学園長と学校長だけは知ってるんだ」
圭吾さんと修司さんは知っていて梓さんは知らない、ということか。
俺を選んだ理由は、話したところで反応が返ってこない人間で、あえて口止めせずとも噂になどしない人間だから、かな。
「不安定なりにも冷静な部分はあったと思う。それが本当に俺のバイトのことなのか、相手がどんな切り札をもっているのか、それを確かめるためには誰の目にも留まらない場所で一対一で話す必要があったんだろう。ただし、学校内でなければ助けは望めない。五十嵐は退学になったわけだけど、俺の噂は世間に広まったりはしなかった。退学が決まった時点でうさ晴らしよろしく教師陣に話すなりネットに流すなりできたと思うけど、それがされなかったのは何も掴んでいなかったからだと思う。そのあたりはオーナーが調べてくれたけど、情報が流れた可能性はゼロに近いと判断された。因みに、俺のバイトの件は学園長と学校長だけは知ってるんだ」
圭吾さんと修司さんは知っていて梓さんは知らない、ということか。