光のもとでⅠ
「あれで彼氏いないってのがわかんないよね? 尻に敷かれてもいいからって男は多そうなのに」
 優太が心底不思議そうな顔をする。
 あぁ、ひとつ情報をくれてやろう。
「いる――っていうか、できた」
「「「えっ!?」」」
 いい食いつきだ。
「翠のお兄さん、御園生蒼樹さん」
 御園生さんは図書棟への出入りが頻繁ということもあり、ここにいる三人は翠より先に御園生さんの存在を知っていた。
「やっと次に行けたか……」
 朝陽が言えば、
「なるほどねぇ……絵になるわけだ」
 会長もわけのわからないことを言う。
 どこかでふたりが歩いているところでも見たのだろうか。
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