光のもとでⅠ
「おはようございます」
「体調は?」
 バイタル上の体調は知っている。
 けれど、それではわからない部分のことを知りたくて尋ねた。
 いや、ただ会話を続けたかっただけかもしれない。
 彼女の声を聞きたくて……。
「だるさは取れないけど、でも大丈夫です」
 言って笑みを添える。
「良かった」
 彼女の手には小型ハープが持たれていた。
 小型ハープといえど、ケースに入れるとそれなりの大きさあがある。
 それに手を伸ばし、自分の方へと引き寄せると、
「あのっ、持てますっ」
 本当ならカメラだけ持たせてほかは若槻が持てばいい。
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