光のもとでⅠ
 それどころか栞ちゃんと昇さんの立ち姿に見惚れている模様。
 そして、どうしてかにこりと微笑む。
「すごく仲のいい夫婦だよね」
 背をかがめ、彼女の視線に合わせて口を開けば、視界に突然割り込んだ俺にびっくりした顔をする。
「っ……はい、すごく幸せそうです」
 屈託なく、邪気などまるで感じさせない笑顔。
 その顔が少し色づく。
 相変わらず男に対する免疫もなし、と……。
 これは喜んでいいのか悪いのか。
 司と一緒にいるときにはこんな顔をしない。
 少なくとも、ここ最近では見たことがない。
 俺は、一応男として意識してもらえているのか?
 それがいいことなのか悪いことなのかはわからない。
 ただ、若槻や蒼樹と同類にされるよりはいいと思っている。
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