光のもとでⅠ
「下心は多少なりともありますよ? でも、本気だから」
下心――以前の俺の下心に比べたら、今の俺の下心なんてかわいいものだろう。
「俺はあの日、このドライブに行かなかったら翠葉ちゃんを好きになることはなかったかもしれない。……いや、どうかな――たまたま自分の気持ちに気づいたのがあの日だっただけで、森林浴に行ってなくても君に惹かれたのかな」
彼女を女として見てしまったのは確かにパレスで……。
自分の伴侶に欲しいと思ったのはその日の夜だ。
司がいなければ――司があの日ホテルにいなければ、その気持ちに気づくまでにはもう少し時間がかかったかもしれない。
「リィっ! 朝に持たせたミネラルウォーター、半分くらいは飲んでる?」
若槻が彼女に駆け寄る。
「え? あ、うん。ちょうど半分くらいかな?」
みんなが集っていた場所からすぐ側の自分の車まで移動すると、若槻が手際よくジュースを割り始めた。
下心――以前の俺の下心に比べたら、今の俺の下心なんてかわいいものだろう。
「俺はあの日、このドライブに行かなかったら翠葉ちゃんを好きになることはなかったかもしれない。……いや、どうかな――たまたま自分の気持ちに気づいたのがあの日だっただけで、森林浴に行ってなくても君に惹かれたのかな」
彼女を女として見てしまったのは確かにパレスで……。
自分の伴侶に欲しいと思ったのはその日の夜だ。
司がいなければ――司があの日ホテルにいなければ、その気持ちに気づくまでにはもう少し時間がかかったかもしれない。
「リィっ! 朝に持たせたミネラルウォーター、半分くらいは飲んでる?」
若槻が彼女に駆け寄る。
「え? あ、うん。ちょうど半分くらいかな?」
みんなが集っていた場所からすぐ側の自分の車まで移動すると、若槻が手際よくジュースを割り始めた。