光のもとでⅠ
目を離せない時期というものが確かにあった。
蒼樹にとって翠葉ちゃんはそういう存在なんだな。
「今日の秋斗さんは表情豊かです」
「そう? だとしたら、それは翠葉ちゃん効果だよ」
君と話をしていると色んなことを考えさせられるし、色んな発見があるんだ。
パレスの入り口に到着し携帯からいくつかの操作をする。と、
「秋斗さん……それ、普通の携帯に見えるんですけど、何か違うモバイルだったりします?」
声も表情も言葉もアングルも――何もかもがあの日とかぶる。
「普通の携帯。翠葉ちゃんと同じ機種だよ」
あの日と同じように答え、それを彼女の手に握らせる。
彼女はそれを表裏とひっくり返してみたり、様々なアングルから観察しては首を傾げる。
「ちょっと仕掛けをしてるだけ。……春にもね、ここでまるきり同じことを訊かれたんだ」
ゲートが完全に開き、車を発進させる。
蒼樹にとって翠葉ちゃんはそういう存在なんだな。
「今日の秋斗さんは表情豊かです」
「そう? だとしたら、それは翠葉ちゃん効果だよ」
君と話をしていると色んなことを考えさせられるし、色んな発見があるんだ。
パレスの入り口に到着し携帯からいくつかの操作をする。と、
「秋斗さん……それ、普通の携帯に見えるんですけど、何か違うモバイルだったりします?」
声も表情も言葉もアングルも――何もかもがあの日とかぶる。
「普通の携帯。翠葉ちゃんと同じ機種だよ」
あの日と同じように答え、それを彼女の手に握らせる。
彼女はそれを表裏とひっくり返してみたり、様々なアングルから観察しては首を傾げる。
「ちょっと仕掛けをしてるだけ。……春にもね、ここでまるきり同じことを訊かれたんだ」
ゲートが完全に開き、車を発進させる。