光のもとでⅠ
28~33 Side Akito 07話
ランチを食べ終えても彼女はカメラに手を伸ばそうとはしない。
カップを両手で持ち窓から外を眺めるのみ。
本館のようにBGMが流れることもないここは、俺たちが立てる物音やストーブの音しかしなかった。
そして、思いついたようにどちらからともなく声をかけ、言葉を交わす。
「翠葉ちゃん、写真は撮りにいかないの?」
まだ昼を少し過ぎたくらいだが、陽が落ちるのは早いし、それに伴い寒くもなる。
行くのなら今のほうがいいんじゃ――。
彼女は自分の脇に置いてあるカメラケースに目をやるものの、嬉しそうな表情ではない。
五秒ほど静止したのちに、やっとカメラケースへ手を伸ばした。
「少し、外へ行ってきます」
明らかに挙動不審。
カップを両手で持ち窓から外を眺めるのみ。
本館のようにBGMが流れることもないここは、俺たちが立てる物音やストーブの音しかしなかった。
そして、思いついたようにどちらからともなく声をかけ、言葉を交わす。
「翠葉ちゃん、写真は撮りにいかないの?」
まだ昼を少し過ぎたくらいだが、陽が落ちるのは早いし、それに伴い寒くもなる。
行くのなら今のほうがいいんじゃ――。
彼女は自分の脇に置いてあるカメラケースに目をやるものの、嬉しそうな表情ではない。
五秒ほど静止したのちに、やっとカメラケースへ手を伸ばした。
「少し、外へ行ってきます」
明らかに挙動不審。