光のもとでⅠ
「だから、そのときはノックでもいいし、携帯を鳴らすでもいいから、戻ってきたいときに戻っておいで」
「……はい」
「日陰に入ると気温がぐっと下がるから、それだけは気をつけるんだよ」
彼女を送り出したあとも部屋の中から彼女を見ていた。
ちょっとしたストーカーの気分。
向こうからこっちは見えないのだから。
彼女はその場でぐるりと周りを見回し、一歩進んでは立ち止まる。
きれいな景色に目を奪われているのだろうか。
彼女らしいと思うのに何かが引っかかる。
少しすると、一本の紅葉(もみじ)に近寄りカメラをかまえた。
けれども、かまえるたびに首を傾げてカメラを下ろしてしまう。
プレビュー画面を確認しているようには見えない。
「……はい」
「日陰に入ると気温がぐっと下がるから、それだけは気をつけるんだよ」
彼女を送り出したあとも部屋の中から彼女を見ていた。
ちょっとしたストーカーの気分。
向こうからこっちは見えないのだから。
彼女はその場でぐるりと周りを見回し、一歩進んでは立ち止まる。
きれいな景色に目を奪われているのだろうか。
彼女らしいと思うのに何かが引っかかる。
少しすると、一本の紅葉(もみじ)に近寄りカメラをかまえた。
けれども、かまえるたびに首を傾げてカメラを下ろしてしまう。
プレビュー画面を確認しているようには見えない。