光のもとでⅠ
28~33 Side Akito 08話
彼女はまだ木に向かって座ったままの状態だった。
「翠葉ちゃん、ここは日陰。冷えるよ」
そう言って、自分のジャケットを肩からかける。
「ありがとうございます……。日陰は本当に寒いですね」
涙声をごまかすように笑みを添える。
けれど、目は赤く、顔は青白かった。
そんなふうに堪えなくてもいいのに……。
もし、ここに現れたのが俺ではなく司なら、君はもっと素直になれたのだろうか……。
「手がかじかんで、うまくシャッターが切れないみたいです。だから、今日は諦めようかな……」
たまらなくなって彼女を抱き寄せた。
何も考えなかったわけじゃない。
パニックを起こしたらどうしようとか、拒絶されたらどうしようとか……。
考えたけど、それでも抱きしめずにはいられなかった。
「翠葉ちゃん、ここは日陰。冷えるよ」
そう言って、自分のジャケットを肩からかける。
「ありがとうございます……。日陰は本当に寒いですね」
涙声をごまかすように笑みを添える。
けれど、目は赤く、顔は青白かった。
そんなふうに堪えなくてもいいのに……。
もし、ここに現れたのが俺ではなく司なら、君はもっと素直になれたのだろうか……。
「手がかじかんで、うまくシャッターが切れないみたいです。だから、今日は諦めようかな……」
たまらなくなって彼女を抱き寄せた。
何も考えなかったわけじゃない。
パニックを起こしたらどうしようとか、拒絶されたらどうしようとか……。
考えたけど、それでも抱きしめずにはいられなかった。