光のもとでⅠ
「ストレスに弱すぎるのも問題なんだよ。少しずつ慣れさせなくちゃ。気分は海に入ったことのない子どもを大海原に放り込む親の心境だけどもね」
 そう言うと、乾いた笑いがもれる。
 俺だって怖くないわけじゃないんだよ。
 ただ、このままじゃいけないと思うからこそ、今までと少し違う対応を心がけているだけなんだ。
「あ、静の話が終わったようだ。ちょっと待ってね」
 静に返された携帯はすでに通話が切られていた。
「なんでっ!?」
 ちょっと、静、ひどいんじゃない!?
 俺、もうちょっと翠葉と話したかったのにっ!
 翠葉からの電話ってすっごく貴重なんだよっ!?
 そんな俺の視線をよそに、静は秋斗くんは話し始める。
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