光のもとでⅠ
あまりにも嬉しそうに碧と電話している翠葉を見ていたら、もっと外の世界を見せてあげたくなった。
静に翠葉の写真を見せたらどうか、と碧に勧めたのは俺自身。
「最終的にはどこに落ち着いてもかまわない。それが仕事だろうが永久就職よろしく結婚だろうが。とりあえず、一度は『外』を見せてあげたかったんだよね。それが、自分の親友のとこなら安心してられるだろ? うちの取引先へ使いに出すことはできてもそれじゃ意味がないんだ。親っていう庇護下を出ないから。『外』っていうのは俺たち家族の『外』っていう意味でもあるからさ」
「……おまえがひどく立派な親に見えるから不思議だ」
「ひどいなぁ……一応二十三年間は親やってるんだから、いわばおまえの先輩だよ? オムツの取り替え方とかなんでも聞いてよ」
「結構だ……。そんなのは栞で慣れている。それに、おまえと碧にオムツの取り替え方を教えたのは俺のはずだが?」
「あぁ、そうだった。ちょっと失念。その節はお世話になりました」
ぺこりと頭を下げる。
静に翠葉の写真を見せたらどうか、と碧に勧めたのは俺自身。
「最終的にはどこに落ち着いてもかまわない。それが仕事だろうが永久就職よろしく結婚だろうが。とりあえず、一度は『外』を見せてあげたかったんだよね。それが、自分の親友のとこなら安心してられるだろ? うちの取引先へ使いに出すことはできてもそれじゃ意味がないんだ。親っていう庇護下を出ないから。『外』っていうのは俺たち家族の『外』っていう意味でもあるからさ」
「……おまえがひどく立派な親に見えるから不思議だ」
「ひどいなぁ……一応二十三年間は親やってるんだから、いわばおまえの先輩だよ? オムツの取り替え方とかなんでも聞いてよ」
「結構だ……。そんなのは栞で慣れている。それに、おまえと碧にオムツの取り替え方を教えたのは俺のはずだが?」
「あぁ、そうだった。ちょっと失念。その節はお世話になりました」
ぺこりと頭を下げる。