光のもとでⅠ
そんな話をしながら弁当を食った。
陽も当たらない風だけが吹く寒い場所で、親友とふたり、見事なまでの紅葉を見ながら。
「翠葉、熱出さんといいなぁ……」
携帯のディスプレイに表示される体温を覗き見る。
そこには三十七度一分と表示されている。
「知恵熱ってやつか?」
「まぁ、そんなところ。基本、なんにでも全力投球したい子なんだよ」
出来ること、出来ないことがあるにしても――。
「その辺は碧の子らしいな」
「そうなのよ。猪さんを止めるのは結構大変なのよ? ……そういえば、唯からこの間連絡があってさ、蒼樹ががんばって翠葉離れをしようと試みてるそうだよ」
「ほぉ……どういった心境の変化かな?」
陽も当たらない風だけが吹く寒い場所で、親友とふたり、見事なまでの紅葉を見ながら。
「翠葉、熱出さんといいなぁ……」
携帯のディスプレイに表示される体温を覗き見る。
そこには三十七度一分と表示されている。
「知恵熱ってやつか?」
「まぁ、そんなところ。基本、なんにでも全力投球したい子なんだよ」
出来ること、出来ないことがあるにしても――。
「その辺は碧の子らしいな」
「そうなのよ。猪さんを止めるのは結構大変なのよ? ……そういえば、唯からこの間連絡があってさ、蒼樹ががんばって翠葉離れをしようと試みてるそうだよ」
「ほぉ……どういった心境の変化かな?」