光のもとでⅠ

33 Side Soju 01話

「んじゃ、俺、事務所にいる人たちに挨拶してくるわ」
 建物内部の案内をしてもらい、外観も粗方見終わった俺たちは一度そこで別れた。
 唯は唯で仕事上で関わる人たちとの絡みもあるのだろう。
「家族旅行に憧れてる」なんて言っていたけれど、「仕事」も忘れはしない。
「先輩が見込んだだけのことはあるのか、それともそう仕込まれたのか……」
 どっちかな?
 時計は三時を指していた。
 携帯を手に取った瞬間にメールを受信する。


件名 :楽しまれてますか?
本文 :こっちは文化祭の準備で
   てんてこ舞いです。
   今、やっと休憩をとることが
   できたので、メールしてみました。

   翠葉は楽しそうにしていますか?
   体調は大丈夫そうですか?
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