光のもとでⅠ
 桃華さん……。
 君からのメールって必ず翠葉のことが書いてあるよね。
 いや、全然かまわないんだけど、少しだけ翠葉に嫉妬しそう。
「あぁ……歴代の彼女たちってこんな気持ちだったのだろうか……」
 でも、きっとこんな子だから俺は付き合えるんだ。
 翠葉を大切に思ってくれる子だからこそ、よりいっそう愛おしくなる。
 リダイヤルから番号を呼び出し通話ボタンを押す。
『はい』
 凛とした声が聞こえ、
「今、大丈夫?」
『はい、休憩中ですから。誰にも文句は言わせません』
「言われません」じゃなくて、「言わせない」というところが彼女らしい。
 そして、「翠葉は?」と開口一番に訊かれるんだ。
 それは毎度のこと。
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