光のもとでⅠ
熊から狼って、いったいどんなだよ……。
宛先には俺と唯のアドレスが表示されていた。
つまり、これと同じメールを唯も読んでいるのだろう。
そこへ今度は唯からの電話が鳴った。
「はい」
『何、このメール』
「俺が訊きたいよ」
『秋斗さんはどうでもいいんだけど、リィが写真撮れないって何?』
「あぁ……翠葉はプレッシャーに弱いからなぁ……」
昔、ピアノのコンクールを目前にピアノが弾けなくなったことがある。
コンクール当日には普通に弾けるように戻ったけれど……。
それも、父さんのかけた暗示がきいていただけのこと。
――「ピアノの前はどこも一緒だよ。白い鍵盤さんと黒い鍵盤さんが並んでいるだけだ。そうだろう? 客席で聴いてるから、父さんと母さん、蒼樹のために弾いてくれないか?」
翠葉はその魔法にかかったままステージを歩き、ピアノを弾いた。
宛先には俺と唯のアドレスが表示されていた。
つまり、これと同じメールを唯も読んでいるのだろう。
そこへ今度は唯からの電話が鳴った。
「はい」
『何、このメール』
「俺が訊きたいよ」
『秋斗さんはどうでもいいんだけど、リィが写真撮れないって何?』
「あぁ……翠葉はプレッシャーに弱いからなぁ……」
昔、ピアノのコンクールを目前にピアノが弾けなくなったことがある。
コンクール当日には普通に弾けるように戻ったけれど……。
それも、父さんのかけた暗示がきいていただけのこと。
――「ピアノの前はどこも一緒だよ。白い鍵盤さんと黒い鍵盤さんが並んでいるだけだ。そうだろう? 客席で聴いてるから、父さんと母さん、蒼樹のために弾いてくれないか?」
翠葉はその魔法にかかったままステージを歩き、ピアノを弾いた。