光のもとでⅠ
 開けた場所に出ると、テラスハウスの入り口にいたボーイが恭しく腰を折って出迎えてくれた。
 そして、俺たちが中に入ると、
「ごゆっくりお過ごしください」
 ドアを閉めると、彼女はブーツを脱ぐのも忘れて部屋に見入っていた。
 さっきはまだ自然光もあったけれど、今はランプやキャンドルの光しかない。
 外は真っ暗だ。
 その中でのこの照明というのは、俺でも新鮮に思う。
「人工の明かりじゃないのがいいよね?」
「はい、すごく優しい光――」
「ま、あたたかくなるのに時間はかかるし、火を使う以上、無人っていうわけにはいかないけど、この光の演出は好きかな」
「私もです……」
 彼女をラグへ誘導すると、自分も着替えることにした。
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