光のもとでⅠ
恥ずかしいから、と俺には抱っこされず葵につれてこられたとき、おしおきと称してキス攻めにした。
あのときの彼女は、恥ずかしさからくる火照り以外の何かを感じていたはずだ。
それがなんなのかわからなくて、怖くなって泣いたのだと思った。
実際のところはバングルを通して自分の心拍が人に知られてしまうことを恥ずかしがっていたわけだけれど……。
あのとき、恥ずかしさだけではなく、快感まで教えてしまえば良かったのだろうか。
彼女からキスをせがまれるほどに、何度も何度も繰り返し教え込めば良かったんだろうか――。
そんな馬鹿なことまで考えてしまう。
あの頃、彼女の体調はとても不安定だった。
そんな彼女にするようなことでもない。
それこそ、非道な人間と言われてしまう。
それに、雅の件もあった。
彼女は俺を振るつもりでデートに来ていた。
あのときの彼女は、恥ずかしさからくる火照り以外の何かを感じていたはずだ。
それがなんなのかわからなくて、怖くなって泣いたのだと思った。
実際のところはバングルを通して自分の心拍が人に知られてしまうことを恥ずかしがっていたわけだけれど……。
あのとき、恥ずかしさだけではなく、快感まで教えてしまえば良かったのだろうか。
彼女からキスをせがまれるほどに、何度も何度も繰り返し教え込めば良かったんだろうか――。
そんな馬鹿なことまで考えてしまう。
あの頃、彼女の体調はとても不安定だった。
そんな彼女にするようなことでもない。
それこそ、非道な人間と言われてしまう。
それに、雅の件もあった。
彼女は俺を振るつもりでデートに来ていた。