光のもとでⅠ
「いや、ただいま頭冷やすべく入浴中」
 冷やすべきは俺のムスコであり、彼女に何か起きたときの連絡先は昇さんだ。
『あんちゃん、この人またわけのわかんないこと言ってんだけど』
『は? だって今、そこに翠葉いるだろうに……』
『頭冷やすべく入浴中とかほざいてる』
「で、若槻と蒼樹は何してた?」
 それとなく話をずらしたつもりだった。
『え? そりゃ、夜に男ふたりそろえばそれなりの話しかしないですよ。ほら、昔秋斗さんとしてたような……』
 墓穴掘った……。
「何、蒼樹ってそういう話するタイプ!?」
『これ、スピーカーにしてもいいですか?』
「ぜひともそう願いたい」
 若槻が事前の話を蒼樹にする。と、
『あぁ……なんていうか、先輩とはしたくないですね』
「ほぉ……妙にきっぱりと言うじゃん」
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