光のもとでⅠ
 俺はさ、パソコン環境が整ってて食べ物と飲み物さえあれば、四畳半にキッチンとトイレってスペースでも生きていけると思うんだよね。
 あぁ、四畳半もいらないかな?
 寝るスペースだけが取れれば文句ない。
 そんなことを考えている俺に向かって、
「たとえばさ、そこにキャンドルが置いてあってここに俺がいるからこの影ができるわけだよ」
 あんちゃんが指差すものはわかるけど、俺の場所からでは影が何を指すかなんてわからない。
「唯、ここに座ってみな」
 指で示されたあんちゃんの隣に座ると、それまで俺の視界には見えなかったものが見えた。
「どう?」
 あんちゃんは満足そうに笑う。
 壁側に座っていた俺に見えなかったもの。
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