光のもとでⅠ
 ん……くすぐったい。
 くすぐったい場所へ手を伸ばす。と、自分の首には触れず別のものが手に当たった。
 びっくりして目を開けると、秋斗さんがベッドに腰掛けていた。
「きゃぁっっっ」
「おはよう」
 私の手に触れたのは秋斗さんの手だったのだ。
 何がなんだかわからなくてもう一度秋斗さんの顔を見る。
「あぁ、ごめんね。すべすべの肌に触りたくなっただけ」
「……そうだったんですね」
 あぁ、びっくりした……。
「あれ? それで終わり?」
「え……?」
「……いや、こっちの話。とりあえず、うちに移ろうか」
 言われてコクリと頷いた。
 きっと高崎さんを呼ぶのだろう。秋斗さんは携帯を手に取り耳に当てる。と、空いている左手は私の手を捕らえた。
 とてもあたたかい手にドキドキする。
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