光のもとでⅠ
『ぜひともそう願いたい』
 その言葉のとおり、俺は携帯をスピーカーの状態にしてふたりの間に持つ。
「あんちゃんがそういう話すんのかって訊いてたけど?」
 訊いたのはあくまでもポーズ。
 あんちゃんもそれをわかっていて、
「あぁ……なんていうか、先輩とはしたくないですね」
 しれっと答えた。
 この顔写真撮りてぇ……。
『ほぉ……妙にきっぱりと言うじゃん』
 そりゃ言うだろぉ……。
 あなた今からかわれてるんですってば……。
 俺、上司に対してなんだかすごいことしてるな。
 そんなことにも思わず笑いがこみ上げる。
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