光のもとでⅠ
「そりゃそうですよ。あれだけ食い散らかしてるのを見てきたら、自分の主観とは違いすぎて話す気すら起きませんって」
 あんちゃんもそれを続行するかのような返答をするから余計に腹が痛い。
『それを言うなら若槻だって変らないだろ?』
 秋斗さんの声がムスっとしているのがわかる。
 この人どうしちゃったかな?
 こんな感情表現豊かになっちゃってさ……。
 いつもなら余裕の切り替えしが返ってきそうなところなのに。
「でも、唯は遊びは遊びで派手だったみたいですけど、俺、こいつの本命知ってますから」
 あぁ、そうだよね。
 そのことを知っているのはあんちゃんとリィだけだ。
 携帯から応答がなくなった時点で、「嘘ですよ」とカミングアウトするあんちゃんは人がいいと思う。
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