光のもとでⅠ
 それでも時間は過ぎていくし、授業の合間に世間話ができるほどの余裕もない。
 小テストとはいえ、テストはテスト。
 点数を落とせばそれなりに成績に響く。
 そんな俺たちが一息入れられるのが昼休み。
 弁当の時間っていうのがまたいい。
「海斗」
 大きな声を出しているわけでもないのに、やけに存在感のある声。
 でもって、俺には聞き馴染みがありすぎて確認などする必要のない声。
「何?」
 声の主は教室の後ろのドアに立っていた。
 さすがに対角線上の距離で話すつもりはないらしく、廊下に出て来いと目が言っている。
 弁当を目の前にして、俺は仕方なく廊下へ出ることにした。
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