光のもとでⅠ
「冷やかしの対象にされるんじゃないんだ」って。
 逆にその意味がわからなくて問い返してしまった。
「なんで冷やかされるの?」
「わからないわよ。でも、こっちは知られたら恥ずかしいって思うし、それを冷やかしの材料にする男子なんてたくさんいたわ。私が通っていた学校ではそれが当たり前だった」
「当たり前」ってなんだろうな? 
 うちの学校ではこれが「普通」だけど、よそでは違うらしい。
 この手の授業は「恥ずかしい」ものでしかない感じ。
 教師がたちがそういう姿勢なのかと訊けば、
「そういうわけじゃないと思うけど、でも、生徒たちを収拾できる教師がいなかったのも事実よ」
 要は大の大人がガキどもの「性」に対する好奇心に負けちゃうわけだ。
 そういう話を聞くとさ、学校って社会は狭いんだろうな、って思う。
 学校を水槽にたとえると、「水槽」なんてもの自体がそもそもは作られた世界に過ぎなくて、学校なんてものはあらかじめ用意された社会なのだろう。
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