光のもとでⅠ
意思のある「個」を自分の意思で「枠内」へ戻す――それが風紀委員ならば、意思のある「個」を偏りのない規範のもとに率いる人間が生徒会だ。
「うちの学校、『出る杭打たれる』なんてことはめったにないからね」
人の上に立つことを約束されている人間が、自分の意見を口にできないなんて論外。
この学校はそういう人間が数多く集る場所だからなおのことだ。
自分の意思を言ことが必ずしも場の空気が読めない人間ということにはならない。
むしろ、人を賛同させるにはその場の空気を読む器量もタイミングを図る器量も併せ持たなければならない。
「そもそも、中学の同級生が翠葉の病気を理解していたとは思えない。翠葉さ、友達に病気のことをちゃんと話したのは俺たちが初めてみたいだったから」
「この年じゃ病名や数値を聞いて理解できる人間は少ないと思う。それでも、身体が弱いことを察するくらいはできたはずだ」
「……『特別扱い』ってさ、普通に『いいな』って思われる対象だろ? それも妬みの原因っぽいよ」
「うちの学校、『出る杭打たれる』なんてことはめったにないからね」
人の上に立つことを約束されている人間が、自分の意見を口にできないなんて論外。
この学校はそういう人間が数多く集る場所だからなおのことだ。
自分の意思を言ことが必ずしも場の空気が読めない人間ということにはならない。
むしろ、人を賛同させるにはその場の空気を読む器量もタイミングを図る器量も併せ持たなければならない。
「そもそも、中学の同級生が翠葉の病気を理解していたとは思えない。翠葉さ、友達に病気のことをちゃんと話したのは俺たちが初めてみたいだったから」
「この年じゃ病名や数値を聞いて理解できる人間は少ないと思う。それでも、身体が弱いことを察するくらいはできたはずだ」
「……『特別扱い』ってさ、普通に『いいな』って思われる対象だろ? それも妬みの原因っぽいよ」