光のもとでⅠ
「……それが、翠が『特別扱い』を嫌がる理由?」
「だと思う。『疎外感感じる』って言ってた」
 なるほどね……。
 翠が人と共に行動することへ拘る理由はこれか……。
「司」
 海斗が俺を真っ直ぐに見た。
「俺らは翠葉の気持ちを想像することはできても、理解するには及ばないと思う。ましてや翠葉がどれくらいそれを怖がっているかなんて――」
「推し量ることは不可能――わかったところで共感はできない。それに、できるけどやらないのと、できないからやれないの意味は違いすぎる」
「そう……俺がクラスの人間だとか部の人間とつるんでて、用事があるからその日に行けないとかたまたま風邪をひいて参加できないとか、そういうのとはわけが違う。根本が違う。だいたいにして、それで仲間はずれにされるとかいじめの対象になるとか、そんなことはないわけだからさ。だから、俺にもわかんないよ。これはさ、翠葉がわかってくれないとダメなんだ。中学のときに周りにいたやつらと俺たちは違うって――俺らはそれをわかってもらえるように行動することしかできない」
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