光のもとでⅠ
 俺の肩に兄ちゃんの手が乗る。
「しょうがないから共犯になってやるよ」
 俺たちはその場に留まった。
「なんの話か話せるか?」
 この場を離れるなら今がラストチャンス。
 そうは思っても足が動かない。
 人間の好奇心って罪……。
 でも、これが好奇心なのかはちょっと怪しい。
「兄ちゃん、俺あとでちゃんとカミングアウトする」
「弟よ、兄だけを悪者にするなよ。俺だって必要ならカミングアウトするさ」
 兄ちゃんは俺より全然余裕の面持ちで、それがちょっとムカついた。
 でも、その兄ちゃんの隣に腰を下ろす。
 靴は履いたままで。
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