光のもとでⅠ
「……体調、今のうちに立て直さないといけないのわかってる。でも、それができないのは――もちろん楽しいからっていうのもあるけれど、それ以外の理由もあって……」
 あぁ、やっぱり無理してたんだ……。
 俺は実行委員サイドだけど、彼女とは生徒会サイドでよく顔を合わせていたし、ものすごく重要なポジションにいることも知っている。
 紅葉祭においての会計はすべての要だから。
 それでも、彼女が今言ったように本当に楽しそうに仕事をしていた。
 呼び出しもガンガンされてて、仕事もサクサクこなしてて、見ている分には楽しそうにしか見えなかった。
 だって、翠葉ちゃんはいつでも笑っていたから。
 なのにどうして、彼女は今こんなにも不安そうなんだろう。
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