光のもとでⅠ
今まで見てきた彼女を思い出す。
いつも「ごめんなさい」って言ってて、困ったような顔をして笑ってて、それが最初の頃の翠葉ちゃん。
それでも、徐々にだけど自然と笑うようになってきて、「ごめんなさい」の回数が減った代わりに「ありがとう」って言葉が増えて……。
なのになんで――。
最近は体調が悪いのだって海斗たちじゃないクラスメイトにだって言ってくれるようになってきた。
話しかけると一、二歩下がる癖もなくなってきてたのに、なんで……?
「蒼兄、怖いよ……」
翠葉ちゃん、俺はこの先の会話を聞くのが怖いよ。
「中学のとき、そんなこと一度も言わなかったな……」
彼女の声とは正反対の、落ち着いた静かな声だった。
いつも「ごめんなさい」って言ってて、困ったような顔をして笑ってて、それが最初の頃の翠葉ちゃん。
それでも、徐々にだけど自然と笑うようになってきて、「ごめんなさい」の回数が減った代わりに「ありがとう」って言葉が増えて……。
なのになんで――。
最近は体調が悪いのだって海斗たちじゃないクラスメイトにだって言ってくれるようになってきた。
話しかけると一、二歩下がる癖もなくなってきてたのに、なんで……?
「蒼兄、怖いよ……」
翠葉ちゃん、俺はこの先の会話を聞くのが怖いよ。
「中学のとき、そんなこと一度も言わなかったな……」
彼女の声とは正反対の、落ち着いた静かな声だった。