光のもとでⅠ
 どうしよう――心臓がもたない……。
 これ、みんなに知られているの?
 どうしよう……海斗くんや司先輩が来て、バイタルのことを訊かれたらなんて答えたらいいの? 湊先生も蒼兄も、お父さんもお母さんもモニタリングしているのに――。
 ――恥ずかしくて死んじゃう。
 そんなことを考え始めれば涙が止まらなくなる。
 自分の体が忌々しい。でも、この体じゃなかったら留年することもなく、藤宮に入ることもなく、秋斗さんと出逢うことも、みんなと出逢うこともなかった。
 全部が悪いわけじゃなくて、何が悪いわけでもないのに、どうして……どうしてこんなのをつけなくちゃいけない体なんだろう……。
 違う――。
 体が悪いわけじゃない。私が、私が言わないかららだ。
 誰のせいでも体のせいでもない。自分がいけない――。
 気づけばしゃくりあげるくらい泣いていて、戻ってきた秋斗さんを驚かせてしまった。
「痛みっ!?」
「違っ……ごめんなさい、違うの――自分が……嫌――」
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