光のもとでⅠ
以上でその場を去るつもりだった。が、
「司っ?」
俺はわざとらしく一息ついてから振り返る。
御園生さんの顔つきが少し変わっていた。
シスコン兄貴のそれに。
「爆弾をまともに食らった船は沈みます。どの道、サルベージは必要」
「サルベージって……」
「翠を学校に連れてきてください。絶対に――」
そう言って背を向けた。
最後の一言は翠がどうこうという話ではない。
御園生さん自身に向けた言葉。
この人のシスコンは今に始まったものじゃない。
だけど、いい加減甘やかすだけじゃなくて突き落とすこともできるようになれ、と怒鳴りたくもなる。
「司っ?」
俺はわざとらしく一息ついてから振り返る。
御園生さんの顔つきが少し変わっていた。
シスコン兄貴のそれに。
「爆弾をまともに食らった船は沈みます。どの道、サルベージは必要」
「サルベージって……」
「翠を学校に連れてきてください。絶対に――」
そう言って背を向けた。
最後の一言は翠がどうこうという話ではない。
御園生さん自身に向けた言葉。
この人のシスコンは今に始まったものじゃない。
だけど、いい加減甘やかすだけじゃなくて突き落とすこともできるようになれ、と怒鳴りたくもなる。