光のもとでⅠ
翠は自分に負けるのが一番嫌なんだったよな?
なら、来い――。
机に右肘を突いて顔を固定。
ずっと桜並木を見ていた。
この時間になると、登校してくる生徒も減る。
たいていの人間が五分前行動で二十五分には教室へ入っているからだ。
職員会議が終わるのが八時二十五分。三十分にはホームルームが始まり出欠確認を取る。
「あれ? 翠葉ちゃん、珍しく遅いな?」
桜並木を紅葉祭実行委員と歩いてくる翠がいた。
なんで御園生さんじゃなくてほかの男……。
「なーんか、足取り重そうだよね?」
嵐が俺と優太の間に割って入り、外を見下ろす。
足取りの重い翠を必死で促しているのは一年B組紅葉祭実行委員、高崎空太。
なら、来い――。
机に右肘を突いて顔を固定。
ずっと桜並木を見ていた。
この時間になると、登校してくる生徒も減る。
たいていの人間が五分前行動で二十五分には教室へ入っているからだ。
職員会議が終わるのが八時二十五分。三十分にはホームルームが始まり出欠確認を取る。
「あれ? 翠葉ちゃん、珍しく遅いな?」
桜並木を紅葉祭実行委員と歩いてくる翠がいた。
なんで御園生さんじゃなくてほかの男……。
「なーんか、足取り重そうだよね?」
嵐が俺と優太の間に割って入り、外を見下ろす。
足取りの重い翠を必死で促しているのは一年B組紅葉祭実行委員、高崎空太。