光のもとでⅠ
 わずかに、身体も声も震えていた。
 そこまで怖がってもらえると光栄というかなんというか……。
 とりあえず、それくらいの影響力はあったというわけだ。
 こんな状況なのに、少し心が満たされる。
 俺が口を開くと、高崎が俺と翠の間に割り込んだ。
「藤宮先輩、ちょっとたんまっっっ! 翠葉ちゃん、今色々と混乱してるだけですからっ」
「だから何?」
 そんな説明は必要ない。
 翠が混乱しているのも動揺しているのも泣いたのも――全部は俺のせい。
 そんなことはわかっている。
 これからその収拾作業に入るところだ。
「だから――えぇと……あまり手厳しいことは今ちょっと……」
「無理。翠、病院まで付き添う。御園生さんには連絡してあるし了承も得てる」
 今日は徹底的に追い詰めると決めている。
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