光のもとでⅠ
「必要なら貸すけど」
翠の前に自分の手を差し出す。
翠はその手を見るだけで手を伸ばしはしなかった。
「この手も取らないわけね」
でも、別に手を差し出して翠がこの手を取らなくても、俺が翠の手を取ればいいだけのことなんだ。
待つことはできるけど、今、この問題に関してだけは待つ気はない――。
翠の前に自分の手を差し出す。
翠はその手を見るだけで手を伸ばしはしなかった。
「この手も取らないわけね」
でも、別に手を差し出して翠がこの手を取らなくても、俺が翠の手を取ればいいだけのことなんだ。
待つことはできるけど、今、この問題に関してだけは待つ気はない――。