光のもとでⅠ
第12章 自分のモノサシ
01
病院に着くころには幾分か気持ちも落ち着いていた。
ふたり揃って九階へ行くと、
「なんだ、その顔……」
これが相馬先生の第一声だった。
散々泣いたからひどい顔なんだろうな、とは思っていたけれど、こんなふうに言われてしまうくらいにひどいのだろうか。
トイレで顔だけ洗ってくれば良かった……。
訊かれた内容になんて答えようか少し考え、
「ツカサにいじめられました」
「ほぉ……仲良く手ぇつないでいじめか。それはまた新手ないじめだな?」
ニヤリと笑われて気づく。まだ手がつながれたままだったことに。
「わっ――」
私は慌ててツカサの手を離した。
どちらかというと、私が掴んでいて放さなかった感じがしたから。
頬が熱を持つのがわかるほどには恥ずかしい。
ふたり揃って九階へ行くと、
「なんだ、その顔……」
これが相馬先生の第一声だった。
散々泣いたからひどい顔なんだろうな、とは思っていたけれど、こんなふうに言われてしまうくらいにひどいのだろうか。
トイレで顔だけ洗ってくれば良かった……。
訊かれた内容になんて答えようか少し考え、
「ツカサにいじめられました」
「ほぉ……仲良く手ぇつないでいじめか。それはまた新手ないじめだな?」
ニヤリと笑われて気づく。まだ手がつながれたままだったことに。
「わっ――」
私は慌ててツカサの手を離した。
どちらかというと、私が掴んでいて放さなかった感じがしたから。
頬が熱を持つのがわかるほどには恥ずかしい。