光のもとでⅠ
「……えと、夏休みほどはひどくありません」
 少し曖昧かなとは思ったけれど、思ったままを答えてみた。
「そっか」
 ふわりと笑う表情は秋斗さんとそっくりだと思う。けれど、やっぱり何かが違う気がする。
「とりあえず、食堂に移るか」
 相馬先生の言葉に一度九階をあとにした。

 入院したことはあっても、職員用の食堂に入るのは初めて。
 中に入ってびっくりした。
 食堂、というよりはレストラン。
 大きなガラス張りの窓から外の景色がきれいに見えた。
 さらには、一般の患者さんやお見舞いに来た人たちがたくさんいる。
「翠葉ちゃん、こっち」
 楓先生に背中を押され、入り口を入ってから五メートルほど歩いたところにあるひとつのアーチをくぐると、そちら側の空間には白衣を着た人や術着を着た人しかいなかった。
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