光のもとでⅠ
29
ん……。唇が何か――。
ぼーっとしたまま目を開けると、至近距離に秋斗さんの笑顔があった。
「秋斗、さん……?」
口にしてみたけれど、現実味がない。
「お姫様は王子様のキスで目覚めるらしいよ。拓斗(たくと)がそう言ってる」
え……? タクトって、誰?
私に覆いかぶさるようにしていた秋斗さんがいなくなると、その向こうに知らない女性と男の子がいた。
「きやぁっっっ」
びっくりしたままに起き上がると、見事に眩暈を起こして秋斗さんに抱えられる。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないです……」
女の人はお腹を抱えて笑っているし、男の子はぼんやりとこっちを見ている。
「紹介するね。こちらが美波さん。そして、その息子の拓斗くん」
あ、この人が――。
「おはよう。ぐっすり寝てたみたいね? 美波です。よろしくね?」
「……翠葉です。先日はお世話になりました」
「いいのよ。気にしないで?」
私の様子をうかがっていた男の子が、
「本当に起きた……。お姫様、はじめまして。僕、崎本拓斗です」
美波さんはお腹を抱えて笑ってるし、拓斗くんはぼんやりとこっちを見てる。
「拓斗くん、御園生翠葉です。仲良くしてね?」
声をかけると、ぱーっと向日葵が咲いたような笑顔になる。
ぼーっとしたまま目を開けると、至近距離に秋斗さんの笑顔があった。
「秋斗、さん……?」
口にしてみたけれど、現実味がない。
「お姫様は王子様のキスで目覚めるらしいよ。拓斗(たくと)がそう言ってる」
え……? タクトって、誰?
私に覆いかぶさるようにしていた秋斗さんがいなくなると、その向こうに知らない女性と男の子がいた。
「きやぁっっっ」
びっくりしたままに起き上がると、見事に眩暈を起こして秋斗さんに抱えられる。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないです……」
女の人はお腹を抱えて笑っているし、男の子はぼんやりとこっちを見ている。
「紹介するね。こちらが美波さん。そして、その息子の拓斗くん」
あ、この人が――。
「おはよう。ぐっすり寝てたみたいね? 美波です。よろしくね?」
「……翠葉です。先日はお世話になりました」
「いいのよ。気にしないで?」
私の様子をうかがっていた男の子が、
「本当に起きた……。お姫様、はじめまして。僕、崎本拓斗です」
美波さんはお腹を抱えて笑ってるし、拓斗くんはぼんやりとこっちを見てる。
「拓斗くん、御園生翠葉です。仲良くしてね?」
声をかけると、ぱーっと向日葵が咲いたような笑顔になる。