光のもとでⅠ
「ツカサはどんなものが好き?」
「……とくには」
「趣味は?」
「読書」
「……プレゼントのヒントになるような答えが欲しいのに」
「別にいらないし」
「プレゼントをしたいって気持ちまで拒否しないでよ」
 そんな会話をしていたら、楓先生が吹きだした。
「翠葉ちゃん、翠葉ちゃんが選んだものなら司はなんでも喜ぶよ」
 楓先生はいつでも優しいのに、ツカサは「さぁ、どうだか」と答えてはほうれん草の胡麻和えにお箸を伸ばす。
 こうやってはぐらかされてしまうことも多々あるけれど、私がぐらぐら揺れているときには揺らがない言葉をくれる人。
 でも、普段からもう少し色んなことを教えてほしいな。
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