光のもとでⅠ
 苦笑をしつつ、
「得られた情報は趣味は読書、以上だよ?」
「ま、確かに読書が趣味だわな……」
「じゃぁ、栞、とかかな?」
「秋兄じゃないけど、翠葉からもらうものならなんでも――あああああっっっ!」
 海斗くんが急に大声を上げるからびっくりした。
 海斗くんは、「ちょっとちょっと」と私の背を押して、玄関を入ってすぐの私の部屋へ入る。
「翠葉さ、歌、歌わない?」
 今度は小声で訊かれる。
「それ……『Birthday』」
「あ――」
「ふたりとも絶対びっくりするし腰抜かすんじゃん? 翠葉が自分のためにステージで歌なんて歌ったらさ!」
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