光のもとでⅠ
「……それ、私、前回の期末考査でお世話になったと思う。唯兄が遊びで作ったって言っていた気が――」
 暗記科目をクイズ形式でやったのは覚えている。
 そのときに唯兄が使っていた、というか、私が寝ている間に作ってくれたソフトではないだろうか。
「さすが若槻さん。秋兄の直轄というか、静さんの手元に置かれているだけのことはあるんだね」
 海斗くんが感心したように言えば、
「そんなわけで別段苦労して問題を作ってるわけでもない」
 と、ツカサはテーブル上のものを片付け始めた。
「今学期からはこれをさらに改良したものを追試の試験で使うらしい」
「「えっ!?」」
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