光のもとでⅠ
「そ、そうだよね……」
「でも、それはもれなく翠葉も一緒だと思うんだ」
「……あ――」
「どう思われていてもかまわないけど、俺はこのソフトがあるからといって、誰彼かまわず問題を提供するわけじゃない。海斗と翠だけだ」
 その言葉に海斗くんと顔を見合わせる。
 アイコンタクトで、互いの「嬉しい」が伝わる。
 物言いは散々だけれど、私たちはちゃんとツカサのテリトリーに入ることができているのだ。
 自分たちが、このツカサに手をかけてもらえる人間であることが嬉しい。
「いくらソフトがやってくれるとはいえ、間違えたところをチェックして入力する時間をその他大勢に割くつもりはさらさらない」
 追加された言葉に、再度、私と海斗くんは顔を見合わせて微笑んだ。
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